顎関節症とは、顎関節およびその周囲の筋肉や靭帯に問題が生じ、痛みや機能障害を引き起こす状態を指します。
症状は多岐にわたり、口を開けるときの痛み、顎のクリック音、咀嚼時の不快感、さらには頭痛や耳鳴りなど、全身にわたる不調を引き起こすことがあります。
顎関節症の原因
顎関節症の原因は多岐にわたり、主なものとして以下が挙げられます。
ストレスや緊張
無意識のうちに歯を食いしばることが多いです。
不適切な噛み合わせ
噛み合わせの不具合が顎関節に負担をかけます。
外傷
顎への外的な衝撃や事故。
習慣
頬杖をつく、片側だけで食事をするなどの日常の習慣。
顎関節症の症状
- 顎を開け閉めする際の痛みや音
- 頭痛や肩こり
- 耳鳴り
- 口を大きく開けられない
- 顎のだるさや疲労感
当院の顎関節症治療の強み
提携医療機関でのMRI撮影
顎関節症の診断には詳細な画像診断が必要です。
当院では、提携している医科でMRI撮影を行うことができます。
顎関節の状態を正確に把握し、最適な治療計画を立てることが可能です。
半導体レーザー治療
当院では、最新の半導体レーザーを用いた顎関節症治療を提供しています。
レーザー治療は、痛みを和らげ、炎症を抑える効果があり、治療後の回復も早いのが特徴です。
非侵襲的な治療法であり、患者様の負担を最小限に抑えます。
精密な診断機器
当院では、ヨシダのパノラマレントゲン「トロフィーパンスマートオシリス3D EVOセファロ」を導入しています。
顎関節の状態を3次元的に把握し、より精密な診断を行うことができます。
顎関節の仕組み
顎関節は、体の他の関節とは異なる特別な構造を持っています。
顎関節は、正中線(体の中心線)を跨ぎ、前後、左右、上下に複雑な動きをするという特徴があります。
また、左右の顎関節は互いに影響を与え合う相互関係にあるため、特に注意が必要です。
顎関節の構造
顎関節は耳の前方に位置し、下顎頭と呼ばれる骨の突起と、下顎窩という骨の凹み、そして関節円板から構成されています。
関節円板は、下顎頭に帽子のようにかぶさっており、顎が動く際に骨同士が擦れ合うのを防ぐクッションの役割を果たしています。
この関節円板のおかげで、顎関節はスムーズに動くことができます。
正常な顎関節の動き
顎関節は、主に前後に動く関節です。
口を閉じているとき、関節円板は下顎頭と下顎窩の間に位置しています。
口を開けると、関節円板は下顎頭と一緒に前方に移動します。
この動きが円滑であることが正常な状態です。
関節円板の異常
顎関節症の主な症状には、口を開けるときの痛み、大きく口を開けられない、顎を動かすとカクンカクンという音がするなどがあります。
これらの症状は、関節円板のズレや変形によって引き起こされます。
大きな変形がある場合
関節円板が前方にズレたり(前方転移)、変形が大きい場合、口を開いたときに関節空隙が狭くなり、シャリシャリという音がすることがあります。
また、下顎頭が引っかかり、痛みを伴う開口障害を引き起こすことがあります。
小さな変形がある場合
関節円板の変形が小さい場合、ひっかかりが外れて下顎頭が関節円板の下に潜り込むことができます。
この時、口を大きく開けることができますが、カクンカクンという音がすることがあります。
顎関節は、非常に複雑でデリケートな関節です。
関節円板の異常があると、顎関節症の症状が現れ、日常生活に支障をきたすことがあります。
もし、顎に違和感や痛みを感じた場合は、早めに専門医の診断を受け、適切な治療を受けることが重要です。
顎関節症の分類
顎関節症は症状によっていくつかのタイプに分類され、それぞれに異なる治療法が適用されます。
I型:筋肉の障害
I型の顎関節症は、咀嚼筋(かむときに使う筋肉)に障害が起こるタイプです。
主に以下のような筋肉に痛みが生じます。
側頭筋
こめかみのあたりにある筋肉で、口を閉じるときに使われます。
咬筋(こうきん)
頬の下にある筋肉で、同じく口を閉じるときに使われます。
顎二腹筋
あごの後ろにある筋肉で、口を開けるときに使われます。
首の周りの筋肉
これらの筋肉も痛むことがあります。
II型:関節包や靱帯の障害
II型の顎関節症は、顎関節を覆っている関節包や靱帯に障害が起こるタイプです。
顎関節周辺に大きな負荷がかかることで炎症が生じ、痛みが発生します。
III型:関節円板のずれ
III型の顎関節症は、顎関節のクッションである関節円板が正しい位置からずれてしまうタイプです。
以下のような症状が見られます。
「コキコキ」という音
口を開閉するときに音がすることがあります。
開口障害
口を開けにくくなることがあります。
IV型:関節骨の障害
IV型の顎関節症は、関節部分の骨に障害が起こるタイプです。
以下のような症状が見られます。
骨の変形
顎関節に大きな負荷が繰り返しかかることで、骨が変形します。
下顎の骨の上部が削り取られたり、出っ張ったりします。
「ギリギリ」という音
口を開閉するときに音がすることがあります。
炎症による痛み
関節に炎症が生じることで痛みが発生します。
V型:その他のタイプ
V型の顎関節症は、I型からIV型のいずれにも当てはまらないものです。
特定の分類に収まらない症状や原因が見られる場合、このタイプに分類されます。
各タイプの顎関節症には、それぞれ適した治療法があります。
症状や原因に応じて、最適な治療を選択することが重要です。
もし、顎関節に痛みや違和感を感じた場合は、早めに専門医に相談し、適切な診断と治療を受けることをお勧めします。
顎関節症の治療方法
保存療法
軽度の顎関節症の場合、まずは保存療法を行います。
具体的には以下の方法があります。
マウスピース療法
顎関節への負担を軽減するためのマウスピースを装着します。
理学療法
ストレッチやマッサージなどで筋肉の緊張をほぐします。
生活習慣の改善
噛み合わせや姿勢の改善、ストレスの管理など。
薬物療法
痛みや炎症を抑えるために、鎮痛剤や抗炎症薬を使用することがあります。
薬で症状の緩和を図ります。
外科的治療
重度の顎関節症の場合、外科的治療が必要になることもあります。
当院では、必要に応じて専門医と連携し、適切な外科的治療を提供します。
アフターケアとメンテナンス
顎関節症の治療後も、定期的なメンテナンスが重要です。
当院では、治療後の経過をしっかりとフォローし、必要に応じて追加の治療やケアを提供します。
再発を防ぎ、健康な口腔環境を維持します。
定期検診
術後の経過を確認するため、定期検診を行います。
治癒状況を確認し、必要なケアを行います。
継続的なサポート
顎関節症の治療後も、継続的に口腔内の健康をサポートします。
定期的なチェックアップを通じて、顎関節の状態を監視し、必要な調整を行います。
最後に
顎関節症は、放置すると日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。
当院では、精密な診断機器と治療技術を駆使し、患者様一人ひとりに最適な治療を提供しています。
顎関節症でお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。
専門医が丁寧に対応し、あなたの健康をサポートします。